Thalictrum aquilegiifolium var. sibiricum

Thalictrum aquilegiifolium var. sibiricum 
マンセンカラマツ

3まわりぐらいでかい.
托葉もでかい.

10. Jul. 2017 長野県

Galium verum ssp. asiaticum キバナノカワラマツバ

Galium verum ssp. asiaticum
キバナノカワラマツバ

黄色いのと白いのがいて,分けるなら黄色いのは f. luteolum というそうです.
そこそこよい草原なら出現する.

種としては北半球に超広域分布,日本のやつはその極東亜種になる.

10. Jul. 2017 八方尾根

Vincetoxicum pycnostelma スズサイコ

Vincetoxicum pycnostelma
Synonym; Cynanchum paniculatum
スズサイコ

よい二次草原…といえばスズサイコ.

スズサイコ…といえばよい二次草原.

6. Jul. 2017 阿蘇

Tricyrtis macropoda ヤマホトトギス

Tricyrtis macropoda
ヤマホトトギス

散房花序をつける.
花弁が下方へ折れ曲がるところがこの種のミソ.


4. Jul. 2017 阿蘇

Saxifraga stolonifera ユキノシタ

Saxifraga stolonifera
ユキノシタ

人家近くの石垣などに生育していることが多く,本来の自生地がいまいちよく分からない.
北アメリカやヨーロッパの温帯に帰化しているらしい.

名前の通りストロンで増える.

31. May 2012 奥多摩

Rodgersia podophylla ヤグルマソウ

Rodgersia podophylla
ヤグルマソウ

Rodogersia は東アジアに数種が知られる小さな属.
海軍将校 John Rodgers が北海道で採取した標本を基に,お馴染み A. Gray が記載したという.

podophylla は ”有柄の葉” という意味.
根出葉の葉柄が長く,掌状複葉となるかなり特異的な形態をしている.

ブナ帯の湿潤な林内,林縁に優占する超メジャー種.

24. Jun. 2012 山梨県

Chrysosplenium japonicum ヤマネコノメソウ

Chrysosplenium japonicum
ヤマネコノメソウ

日本の名を冠したネコノメだけど,大陸にも分布している.

雄蕊はふつう8つ.
4つのものもあり, var. tetrandrum(ヨツシベヤマネコノメ)とかいって分けている.

↑ 13. Apr. 2014 新潟県
←  6. Apr. 2014 新潟県 (var. japonicum)
→  7. Apr. 2012 高尾山 (var. tetrandrum)

Chrysosplenium album var. stamineum ハナネコノメ

Chrysosplenium album var. stamineum
ハナネコノメ

シロバナネコノメの変種. 東日本に分布.
萼裂片が丸っこい.

23. Mar. 2014 高尾山


Mitella koshiensis コシノチャルメルソウ

Mitella koshiensis
コシノチャルメルソウ

コチャルメルソウをそのまま引き伸ばしたような見た目をしている.
富山県から新潟県の日本海側にかけて分布.

13. Apr. 2014 新潟県

Asarum megacalyx コシノカンアオイ

Asarum megacalyx
コシノカンアオイ

名前の通り花がとんでもなくでかい.

6. Apr. 2014 新潟県

Ipomoea obscura ヒメノアサガオ

Ipomoea obscura
ヒメノアサガオ

オセアニアからアフリカにかけての熱帯に広域分布.
琉球のいくつかの島で記録があるけど,自生かどうかはよく分からない.

(Useful Tropical Plants)
8. Mar. 2017 与那国島

Rubus illecebrosus バライチゴ

Rubus illecebrosus
バライチゴ

側脈が整然とした Rubus.
ヨーロッパでは食用として結構出回っているみたい.

13. Jul. 2014 八ヶ岳

Stachytarpheta dichotoma チリメンナガボソウ

Stachytarpheta dichotoma
Synonym: S. cayennensis
チリメンナガボソウ

半低木状になる新大陸産の帰化種.
花序の構造が旧世界出身者には理解できない.

国内に帰化しているものは紫色の花をつけるやつだけだけど,赤色や黒色のもある.
ぜひ自生地で見てみたい.

17. Feb. 2017 西表島

Digitaria insularis ススキメヒシバ

Digitaria insularis
ススキメヒシバ

南米原産で,太平洋各島嶼に帰化.
ススキにしか見えない.

八重山では石灰岩地に偏って分布しているように見える.

(A Key to Pacific Grasses)
17. Feb. 2017 西表島

Anodendron affine サカキカズラ

Anodendron affine
サカキカズラ

本州から琉球にかけての暖地に見られるキョウチクトウ科の藤本.
Anodendron は東南アジアからオセアニアにかけて十数種が知られているが,国内に分布があるのは本種, affine のみである.
なお, affine というが,いったい何に似ているのかは不明.

枝の色と側脈の角度が特徴的.

← 22. Feb. 2016 西表島
↓ 西表島産 標本



Nepeta subsessilis ミソガワソウ

Nepeta subsessilis
ミソガワソウ

Nepeta は大きめの属だが,日本ではミソガワソウ1種が知られるのみ.

中部山岳の高茎草原では普通に見られる.

28. Aug. 2012 北岳

Delphinium anthriscifolium セリバヒエンソウ

Delphinium anthriscifolium
セリバヒエンソウ

Delphinium は栽培種としてもメジャーだし,海外の繁殖生態や進化の論文にも対象種として頻出する属だけど,日本に自生はなく,本種が帰化種として記録されているのみ.

原産地の中国では3変種が記録されている.

14. Apr. 2014 東京都

Thelypteris parasitica ケホシダ


Thelypteris parasitica
Synonym: Cyclosorus parasiticus
ケホシダ

熱帯アジアに広く分布.
国内でも温暖な地域に見られ,琉球列島では林内,林縁でごくふつう.

和名がややこしいけど,ホシダとは全くの別種.

← 17. Feb. 2017 西表島
↓ 21. Feb. 2016 西表島

Thelypteris truncata ナタギリシダ

Thelypteris truncata
Synonym: Cyclosorus truncatus
ナタギリシダ

東南アジアの熱帯域に分布する大型のセリプ.
お隣台湾だと普通種だけど,国内では結構レア.

海外のサイトや文献等ではもっぱら Cyclosorus とされているので注意.
中国海南省には,羽片幅が1.5㎝以下と基準種より細い var. angustipinnus がある.

(Flora of China;蕨類圖鑑1 遠流出版:台湾)
7. Sep. 2016 西表島



Ranunculus sieboldii シマキツネノボタン

Ranunculus sieboldii
シマキツネノボタン

匍匐茎をもつのが特徴である小型の Ranunculus.
南西諸島では春1~4月にかけて出現し,夏季には溶けてなくなる. 本州でいうスプリング・エフェメラル的な存在.

中国南部から台湾にかけて分布し, R. chinensis(コキツネノボタン)と R. diffusus の雑種起源とされる.
6倍体と8倍体のものがあるらしいが,国内のものにどちらが多いか,という点は不明.

(Xu et al. 2013 Plant Systematics and Evolution. 299(3):603–610)
19. Feb. 2016 西表島

Carex mollicula  ヒメシラスゲ

Carex mollicula 
ヒメシラスゲ

やや湿な落葉樹林内によく見られる.

エナシヒゴクサに似るが,雌小穂が上部にかたまってつくのが特徴.
雄小穂は比較的小さい.

4. Jun. 2015 長野県

Ixeris stolonifera var. capillaris ミヤマイワニガナ

Ixeris stolonifera var. capillaris
ミヤマイワニガナ

ジシバリの高山型変種だが,見た目はほとんど変わらない.

20. Jul. 2015 八方尾根

Stellaria diversiflora サワハコベ

Stellaria diversiflora
サワハコベ

匍匐し,花序のみやや斜上する.
花弁は浅~中裂.

ロカリティ変異として,北陸に分布し,大型になる f. robsuta(オオサワハコベ)と, 四国と九州(大分県)に分布し,葉が長い f. angsutifolia(ナガバノサワハコベ)が記載されている.

中国の S. wushanensis に近縁か.

21. May 2015 長野県

Tridax procumbens コトブキギク

Tridax procumbens
コトブキギク

熱帯アメリカ原産.
現在では世界中に帰化している雑草であるが,薬草としてもメジャーらしい.

初めて出会った当時は手持ちの図鑑に本種の記載がなく,海外のサイトをさまよって同定した.

2. Mar. 2015 石垣島

Histiopteris incisa ユノミネシダ

Histiopteris incisa
ユノミネシダ

汎熱帯性で,太平洋の各島にも分布.
国内では本州から南西諸島にかけて点々と産地がある.

一属一種.
このパステルグリーンは見紛いようがない.

日和見的な挙動を示す種で,ギャップや噴火跡に大群落を形成しては消えていくらしい.

7. Sep. 2013 屋久島

Chrysosplenium macrostemon var. shiobarense
ニッコウネコノメソウ

Chrysosplenium macrostemon var. shiobarense
ニッコウネコノメソウ

イワボタンの変種.
葯の色が暗紫色で,萼片は淡緑色

これに対し基本種は葯が黄色.
萼片が暗い色だと var. atrandrum(ヨゴレ)になる.
雄しべが短いとボタンネコ系統.

29. Apr. 2012 那須

Veronica hederifolia フラサバソウ

Veronica hederifolia
フラサバソウ

ユーラシア大陸原産.
帰化種だがそれほど多くない.

全体に毛が多いことと,丸っこい葉が特徴.
種小名は ”Hedera のような葉” という意味だが,さほど似ていない.

24. Mar. 2017 茨城県

Stellaria pallida イヌコハコベ

Stellaria pallida
イヌコハコベ

ヨーロッパ原産で,花弁がない.

都内では意外と個体数が多い.

7. Apr. 2017 東京都

Carex incisa カワラスゲ

Carex incisa
カワラスゲ

オオバコなんかと一緒に踏圧群落を形成する全体にフニャフニャした Carex.

固有種.

19. Jun. 2017 長野県

Hydrangea hirta コアジサイ

Hydrangea hirta
コアジサイ

薄暗い林内にふつうに見られるの低木

Hydrangea のくせに装飾花がないところがミソ.

12. Jun. 2017 茨城県

Deutzia gracilis ヒメウツギ

Deutzia gracilis
ヒメウツギ

岩っぽい所が好きで,岩壁から下垂していることが多い.

花も葉もふつうのウツギに比べて爽やかな印象.
一花序あたりの花数が多い.

21. May 2017 奥多摩

Vincetoxicum magnificum タチガシワ

Vincetoxicum magnificum
タチガシワ

Vincetoxicum の例に漏れずレア.

写真の個体はスギ林下で見たものだけど,ブナ林下でも見たことがある.
ハビタットがよく分からず,探しづらい.
加えて葉が没個性で,花がないと存在感がない.

5. May 2013 高尾山

Dichocarpum stoloniferum ツルシロカネソウ

Dichocarpum stoloniferum
ツルシロカネソウ

名前の通り,ストロンを出す.
この仲間は花もきれいだけど,果実の形が面白い.

関東から近畿にかけての太平洋側の山地に分布.

15. Jun. 2013 山梨県

Saxifraga cernua ムカゴユキノシタ

Saxifraga cernua 
ムカゴユキノシタ

周北植物だが,国内での分布はかなり限定される.

結果せず,むかごで増えるだけだという.
そんなんで大丈夫なのか?

28. Jul. 2013 北岳

Rhodiola rosea イワベンケイ

Rhodiola rosea
イワベンケイ

小さいころ,この植物を図鑑で見て以来,高山に憧れた.

周北植物で,国内では高山帯の岩稜に生育している.
雌株は団子のような大株になる.

28. Jul. 2013 北岳

Silene uralensis タカネマンテマ

Silene uralensis
タカネマンテマ

種小名 ”uralensis" はロシアの "ウラル山脈" のこと.

萼筒が袋状になって目立ち,花弁はごく小さい.

28. Jul. 2013 北岳

Gentiana scabra var. kitadakensis キタダケリンドウ

Gentiana scabra var. kitadakensis
キタダケリンドウ

リンドウの変種.
オヤマリンドウかと思うような見た目だが,萼片が広披針形で二大三小.

(Yonezawa 1989; Acta Phytotaxonomica et Geobotanica 40,1-4)
28. Aug. 2012

Campanula chamissonis チシマギキョウ

Campanula chamissonis
チシマギキョウ

高山植物の中でも超ポピュラーな種.
僅かとも思える岩隙に根を下ろし,逞しく暮らしている.

北アメリカにも分布.

8. Aug. 2014 白馬岳

Artemisia montana オオヨモギ

Artemisia montana
オオヨモギ

ヨモギにそっくりだが,丈も頭花もでかい.
分布は日本海側や高標高地に偏るというが,正直なところ区別が難しくてよく分からない...

21. Aug. 2014 長野県

Chrysosplenium macrostemon var. atrandrum 
ヨゴレネコノメ

Chrysosplenium macrostemon var. atrandrum
ヨゴレネコノメ

イワボタンの変種で,植物体全体が褐色を帯び,葯の色が赤褐色のもの.
同変種 var. shiobarense(ニッコウネコノメ)は萼裂片が直立せず開出し,色が緑色.
C. kiotoense(ボタンネコノメ)にも似ているが,イワボタン系統は雄しべが長い.

7. Apr. 2013 高尾山