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Digitaria insularis ススキメヒシバ

Digitaria insularis
ススキメヒシバ

南米原産で,太平洋各島嶼に帰化.
ススキにしか見えない.

八重山では石灰岩地に偏って分布しているように見える.

(A Key to Pacific Grasses)
17. Feb. 2017 西表島

Dactylis glomerata カモガヤ

Dactylis glomerata
カモガヤ

別に見たくもないのにどこにでもいるC3牧草.

出穂前であっても,とりとめなく伸びた灰緑色の葉で一目瞭然.

2. Jun. 2013 高尾山

Thuarea involuta クロイワザサ

Thuarea involuta
クロイワザサ

旧熱帯に広域分布し,砂浜に生育する驚きの海流散布型グラス.
ボート型の総苞葉と巨大な果実が他と一線を画す.

和名のクロイワは沖縄で研究していた博物学者の黒岩恒からきている.
属名 Thuarea は,マダガスカル,モーリシャスなどの自国の植民地であった海洋島で固有種を採取しまくった心底羨ましいフランスの植物学者, Louis-Marie Aubert du Petit-Thouars (1758–1831) に因んだもの.

Thuarea は2種しかおらず,もう1種はマダガスカルの (案の定) 固有種らしい.

(Flora of China)
10.Sep.2015 西表島

Poa pratensis ナガハグサ

Poa pratensis
ナガハグサ

オオスズメノカタビラより小さく,スズメノカタビラより大きい,その名はナガハグサ.
なお,葉はボート型で長くない.

4.Jul.2015 長野県

Miscanthus tinctorius カリヤス

Miscanthus tinctorius
カリヤス

中部地方の山地を中心に分布.
天然分布は礫の混ざる崩壊斜面で,蛇紋岩地に多い.

刈りやすいからカリヤスというそうで,信州の萱場はカリヤスが優占している所もあったらしい.
今ではそんな萱場の多くは管理放棄が進み,ススキとの雑種が多く生じている. 残念な感じ.

28.Aug.2015 八方尾根

Glyceria ischyroneura ドジョウツナギ

Glyceria ischyroneura
ドジョウツナギ

水田の畔や土手,湿性な林縁などに生育する.
除草剤の施用により近年少なくなっているらしい.

ムツオレグサ(Glyceria acutiflora)に似ているが,小花数が少ない.

28.Jun.2015  長野県

Vulpia myuros ナギナタガヤ

Vulpia myuros
Synonym : Festuca myuros
ナギナタガヤ

ヨーロッパからの帰化種で牧草.
小穂の構造が似ているので Festuca にする説もあるが,ここまで雰囲気が違えば別属で問題なさそう.

他の帰化 Vulpia(イヌナギナタガヤやムラサキナギナタガヤ)に比べて花序枝が短いので区別できる.
またオオナギナタガヤは護穎の縁に長毛があるため変種に分けられるが,これは区別しない場合もある.

30.May 2015 東京都

Brylkinia caudata ホガエリガヤ

Brylkinia caudata
Synonym : Brylkinia schmidtii
ホガエリガヤ

温帯落葉広葉樹林下に生育する.
日本産イネ科植物図譜にはやや稀とあるが,那須高原で初めて見つけて以来,各地で出会っている.

一本立ちの稈と花序に扁平な小穂が整然と並ぶその姿は特異的.
長い2本の芒が目立つ.

4.Jun.2015  長野県

Eriochloa villosa ナルコビエ

Eriochloa villosa
ナルコビエ

Paspalum によく似た枝ぶりと小穂で,遠目だと特にスズメノコビエと見紛う.
Paspalum は小穂の外側が平面だが本種は立体的. 花序枝は白色の長毛があり,コビエとも見分けられる.

水田や湿った草地に見られる.

15.Sep.2015  西表島

Sacciolepis indica var. oryzetorum ヌメリグサ

Sacciolepis indica var. oryzetorum
ヌメリグサ

ハイヌメリの変種として扱う説と同種として纏める説があり,区別はかなり微妙.
私は明らかに小型の個体をハイヌメリとして一応区別しているが…

湿性草地に生育し,河川敷やヨシ原の縁などでよく見かける.

18.Oct.2016  茨城県

Coix lacryma-jobi ジュズダマ

Coix lacryma-jobi
ジュズダマ

史前帰化種で世界中に分布.
郊外の河川敷とかで群生してます.

総苞葉が硬い壺型になるのが特徴. こんなふざけたイネは他にはいない.

lacryma は涙を意味し, jobi は旧約聖書に登場する信者ヨブのこと.

25.Sep.2016  熊本市

Arundinella hirta トダシバ

Arundinella hirta
トダシバ

古くから維持されてきた二次草地には必ずといってよい程に見られる指標種的なイネであるが,その存在は気付かれないといういぶし銀の脇役.

葉はやや灰緑色で小穂は紫色を帯びることが多いが,そうならない時もある.
変異が多く,毛の多いものはケトタシバ(var. hirta),毛の少ないものはウスゲトダシバ(var. ciliata)と呼ばれている.

12.Jul.2016  長野県

Glyceria lithuanica カラフトドジョウツナギ

Glyceria lithuanica
カラフトドジョウツナギ

針葉樹林帯の湿性草地に生育.
低標高の湿地に生える G. leptolepis (ヒロハノドジョウツナギ)は大型で側枝を出す.また G. alnasteretum (ミヤマドジョウツナギ)に酷似して区別が難しいが,小穂がより疎につく.また葉身に横小脈がある.

うーん難しい.

20.Jul.2014  栂池

Calamagrostis purpurea ssp. langsdorfii イワノガリヤス

Calamagrostis purpurea ssp. langsdorfii
Synonym ; Calamagrostis langsdorfii, 
Calamagrostis canadensis ssp. langsdorfii, Deyeuxia langsdorffii
イワノガリヤス

本種の学名は安定していない.どの学名を当てればよいのか全く見当がつかない.
ただ,写真の植物にはイワノガリヤスという和名が付いているということだけは確かである.

このような状況では和名が非常に便利である.しかし偉大な先人にケチを付けるのは大変恐縮なのだが,この和名はいただけない.
本種のハビタットは湿原である.

21.Aug.2014  栂池高原

Trisetum spicatum ssp. alaskanum リシリカニツリ

Trisetum spicatum ssp. alaskanum
リシリカニツリ

複数亜種に分けられている種.
本亜種は北半球の高緯度地域に広域分布する.

日本の高山帯ではいぶし銀の脇役的存在.全体にふわふわしている.

Y-List では alascanum になっているが, alaskanum がどうも正しいようである.

(Flora of China)
7.Aug.2014  白馬岳

Chrysopogon aciculatus オキナワミチシバ

Chrysopogon aciculatus (Poaceae)
オキナワミチシバ

東南アジアとオーストラリアの熱帯域に分布.
乾燥した芝地に見られ,マット状に広がる.どうやら緑化に用いられるらしい.

日本では琉球列島に見られるが多くはない.
春に出穂.紫褐色の花序は美しい.

17.Sep.2015  西表島